トラウムトレーニング
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  • 14年01月18日

森岡理右先生インタビュー(旧サイトより転載)

「トラウムフットボールフェスティバルinつくば2013」のパンフレット内に、筑波大学名誉教授・森岡理右先生のインタビュー記事を掲載させていただきました。 筑波大学発足時から蹴球部を創り、人材を輩出し続け、日本サッカーの発展に寄与されてきたレジェンドです。その内容を、こちらで公開します!

 

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「つくばと、サッカー」

 

筑波大学蹴球部(サッカー部)元部長で、同部を長年見てきた森岡理右先生。彼の存在は、蹴球部であれば知らない人はいないという。そんな森岡先生が見てきたつくばサッカーの歴史、現在の子ども達の可能性とは?

 

―森岡先生はつくばにいらっしゃってから、この地のサッカーを長年見てこられました。現在は大学のスポーツ施設をはじめ、地域のサッカーグラウンドなども整備されてきていますが、先生がつくばにいらした当初との違いはありますか?

 

私がつくばにきたのは、昭和49年の4月です。筑波大学が発足した初年度ですね。グラウンドさえあったものの、宿舎など色々な施設がなくて大変な時代でした。グラウンドへ行く道もぬかるんでいましたね。ただ、グラウンドだけは、芝生で大変立派でした。そこで1期生たちは喜んでサッカーを始めたわけです。

 

―そんな筑波大蹴球部の長い歴史の中で、選手として最もうまかったなど、印象に強く残っている選手はいますか?

 

私が見てきた中で最もうまかったのは、風間八宏(現川崎フロンターレ監督)です。彼は間違いなくうまかった。彼のプレーの力強さという面では大学や一般社会人のレベルでちょっと人と違うかなというのはありましたが、テクニックという面では抜群にうまかったですよ。八宏は大学在学中4年間日本代表などに選出されていました。それから、もう一人テクニックを持った選手といえば、八宏と同学年で入学してきた鈴木淳(現ジェフユナイテッド市原・千葉監督)でした。新入生が在校生と1対1の対決をするという機会があって、八宏は25戦中23勝、淳は21勝くらいで在校生を圧倒していました。2人はそれくらいうまかったんです。

また、最もよく練習をし、相当な努力家だったと印象深いのは田嶋幸三(現日本サッカー協会副会長・アジアサッカー連盟理事)です。彼も日本代表で大学にいないことが多かったですが、代表から帰ってきたときには必ずグラウンドのまわりをぐるぐるぐるぐるひたすら走っていました。本当によく自主トレをしていましたよ。最も目についたのは、この3人でした。

 

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―今名前が挙がった風間八宏さんや鈴木淳さん、田嶋幸三さんを筆頭に、筑波大学は優秀な指導者もたくさん輩出しています。つくばでは筑波大のサッカー部員が子どもを指導する機会が多いですが、指導者の育成という面での取り組みに関して、先生はどうお考えですか?

 

八宏にしても淳にしても、大学時代、“指導”という面では0でしたね。というのは、彼らは大学在学中は自分がプレーすることで日本サッカーで起用されていたので、地域の少年達を指導するという機会はほとんどありませんでした。いわゆるトッププレーヤーたちは、少年サッカー、あるいは地域のサッカーに関わることはなかったです。代わりに、その他の選手たちが大いに地域のサッカーのために貢献しましたね。少年サッカーや中学年代、あるいは一般社会人のサッカーチームへコーチとして出向いていったり、自分自身が選手としてプレーしたりもしていました。当時の有名選手がほとんど地域のサッカーに貢献することがなかったのは、活躍する場所が違ったということです。

 

―風間八宏さんが筑波大学の監督に就任された時代に「トラウムトレーニング」が立ち上げられ、今ではプロ選手になっていくような選手たちも子ども達と一緒に個々の基礎技術向上を目指してトレーニングしています。このような環境というのを、先生はどう感じられますか?

 

トラウムの目指すところ、「個人の技能の向上」、これはとてもいいですね。チームプレーやチーム戦術は後々別の機会でやればいいではないか、と思うのです。少年時代に個人技能を高めることは重要です。ただ、そこからプロになるとか、Jリーグに行くとかは未知数。子ども達がどれほど自分のことを知り、自分のことを高められる能力があるか、またそういうチャンスがあるかどうかというのは、自分自身で発掘していくことだと思います。トラウムは、その基礎をつくってあげる、基礎を提供してあげるという面で、重要な役割を担っていますよね。

 

―それでは最後に、つくばでサッカーを頑張っている子ども達、また筑波大学蹴球部の部員達にメッセージをお願いします。

 

筑波大学蹴球部、トラウム、その他にも育成に関わるクラブはいくつもあります。これらの中で自分を磨く、あるいは自分を高めていくチャンスはたくさんあると思います。これを突き抜けていけるかどうかは自分の心がけ次第だと思いますね。大きな夢に向かって頑張っていってください。

 

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森岡理右(もりおか りう)

 

東京タイムズ社、ベースボールマガジン社のライターを経て昭和49年に筑波大学講師に赴任。蹴球部部長を務めた。その後、助教授、教授を経て現在は筑波大学名誉教授であり、筑波スポーツ科学研究所所長でもある。長年筑波大学蹴球部を牽引してきた最大の功労者の一人。現在でも様々な分野で蹴球部員たちの面倒を見ており、まさに筑波大蹴球部に全てを捧げてきた大先生。

 

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